神鋼物流は、神戸製鋼グループのハウスフォワーダーとしてグローバルな物流を担い、今後の成長領域である海外展開に積極的に取り組んでいます。グループが注力する中国、インドでは、上海、チェンナイにそれぞれ現地法人を設置しています。

グローバルな輸送実績は、ヨーロッパ、中近東から中国、東南アジアまで世界各国に及びます。これまで培ったノウハウを発揮して製品特性に最適な輸送方法を編み出し、海上・航空・陸上の各種モードを組み合わせた手配から倉庫保管まで複合一貫輸送を軸とした総合物流サービスを提供しています。

取扱貨物は、建設機械、プラント用設備機器、産業用機械、精密機器など、機械関係の輸送を得意としており、現地の交通・地理・気候までを徹底調査した上で効率・コスト面で最適なプランをご提案します。そして輸出入両面において、DOOR to DOORのサービスを実現しています。

神戸製鋼所とタイのミルコンスチール社が合弁で設立した会社・コベルコ・ミルコン・スチール社(KMS)は、タイ国内、東南アジアで唯一の特殊鋼線材の圧延工場です。神鋼物流はその工場で線材を生産するためのビレットを加古川製鉄所から一貫輸送を行っています。

神鋼物流は国際航空輸送においても、当社ならではのノウハウ、経験を発揮しています。たとえば、貨物幅が340cmもあるリアクターのヘッドキャップをフランスから神戸製鋼所高砂製作所に輸送するにあたっては、陸上輸送は国内外とも深夜走行し、航空機搭載にあたっては航空機横でのクレーン作業を実施し、納入を果たしました。特殊航空輸送では、コベルコグループ外から欧州向けヘリコプターの航空輸送を受注、航空会社との緊密な連携により、無事輸送を完遂しました。

1,070トンのリアクター(L 31.5 x W 8.1 x H 7.5 m)を高砂製作所よりバージ(艀:はしけ)にて出荷、東播磨港でフローティングクレーン(4,000トン吊)により自航可能なデッキバージに積込み、台湾・高雄まで海上輸送しました。客先サイト岸壁に着岸させた上で、指定場所まで輸送しました。この輸送ルート上にはパイプラックなどの障害物が多数あったため、客先、神戸製鋼所設計担当者と幾度となく打ち合わせを行い、さまざまな工夫を凝らして最適輸送を実現しました。

リフターにてクリアランス確認

神鋼物流は2013年6月より、鋼材の外航輸送に乗り出し、現在では、ベトナム、中国などに向けて毎月6,000トンを輸送しています。2017年には、タイ向けもスタートします。2014年3月には、線材・条鋼を中心としたコンテナ輸送も開始し、毎月3,000トンの輸送を実施しています。この輸送には、国内の鋼材物流で培ったノウハウ・経験、品質管理、そして機械・建設機械関係の品質管理が活かされており、今後、さらなる拡大をめざし、サービスの向上や体制整備を図り、積極的な営業を展開していきます。

鉄鋼メーカー系物流会社で、国内初の「認定通関業者」認定

神鋼物流は2016年12月14日、神戸税関長からAEO制度の1つである「認定通関業者」の認定を受けました。神戸製鋼グループでAEO制度の認定等を受けたのは、神鋼商事(特定輸出者)、コベルコ建機(特定輸出者)に続き3番目。国内鉄鋼メーカー系の物流会社では国内初となります。

AEO制度とは、民間企業と税関のパートナーシップを通じて国際貿易における安全確保と円滑化の両立を図るため、貨物のセキュリティ確保とコンプライアンスの体制が整備された事業者に認められる制度。当社は、NACCS更改や申告官署の自由化等にも対応できる「AEO事業者」となり、迅速な通関サービスを提供できます。

引き続き法令順守体制を徹底し、輸送・通関等でのPDCAサイクルを継続的に行い、業務改善の推進と高品質、高付加価値の物流ソリューションの提供に全社一丸となって努めていきます。

※国際貿易における税関業務や関連民間業務を、効率的に処理する情報通信システム。