神鋼物流では、お客様の要望に合わせて物流を企画・提供する、3PL(3rd Party Logistics)事業を展開しています。長年にわたり、神戸製鋼グループの『荷主代行業務』を通じて培ったノウハウをフルに発揮。自社でハード機能を所有していない(ノンアセット)からこそできる、梱包、倉庫、トラック、船、飛行機など、物流の自由な組み合わせ(コーディネイト)が、高い物流品質と競争力を実現し、お客様から評価いただいています。

お客様の立場に立って考え行動する—これが、当社の企業理念による信条の一つなのです。

神鋼物流は国際航空輸送においても、当社ならではのノウハウ、経験を発揮しています。たとえば、貨物幅が340cmもあるリアクターのヘッドキャップをフランスから神戸製鋼所高砂製作所に輸送するにあたっては、陸上輸送は国内外とも深夜走行し、航空機搭載にあたっては航空機横でのクレーン作業を実施し、納入を果たしました。特殊航空輸送では、コベルコグループ外から欧州向けヘリコプターの航空輸送を受注、航空会社との緊密な連携により、無事輸送を完遂しました。

1,070トンのリアクター(L 31.5 x W 8.1 x H 7.5 m)を高砂製作所よりバージ(艀:はしけ)にて出荷、東播磨港でフローティングクレーン(4,000トン吊)により自航可能なデッキバージに積込み、台湾・高雄まで海上輸送しました。客先サイト岸壁に着岸させた上で、指定場所まで輸送しました。この輸送ルート上にはパイプラックなどの障害物が多数あったため、客先、神戸製鋼所設計担当者と幾度となく打ち合わせを行い、さまざまな工夫を凝らして最適輸送を実現しました。

リフターにてクリアランス確認

石油を脱硫・分解する圧力装置であるリアクター。神鋼物流は世界最大級1,860トンの輸送を受注しました。欧州より部材を調達して港湾荷揚げし、半製品を海上輸送して工場で組み立て、工場出荷した製品を外航船に積込までを一括請負しました。総輸送量は2万フレイト・トンにも達し、積載時の安全性確保や運送ロスの排除はもとより、長さ約66.5メートル、直径約6メートルのリアクターの据え付け精度は20センチメートル以下という極めて高度な対応が求められました。その結果「神鋼物流以外では完遂しえなかった仕事」と荷主様の評価をいただきました。