船舶代理店業

船舶代理店業とは、船舶が港を入出港するための諸手続きや、必要な作業手配を、船舶運航会社や船長の代理で行う事業です。
主に神戸製鋼加古川製鉄所や神戸線条工場、神戸発電所を入出港する船舶からの依頼により、安全に入出港できるよう様々な手続きを代行しています。
外航船が入港する場合、日本の領海内を航行するには事前に海上保安部へ通知する必要があり、依頼された代理店がその連絡を行います。通知先はそのほかにも国土交通省・税関・検疫所などがあり、専門的な手続きを必要なタイミングで実施します。

当社が依頼を受ける船舶は大型船が多く、自力で着岸・離岸ができないため操船を手助けするタグボートを、また港湾や狭水道を航行する際にこれらに精通する専門家である水先人(パイロット)を手配します。
着岸後は、船用品の積込・飲料水の給水・燃料の補給の手配や、船員の福利厚生に関わる手配など、きめ細かい対応を行っています。

  1. Case 1

    20万トン積み、長さ約300mの超大型船の
    入港手続きをサポート

    加古川製鉄所に入港する最大船舶の長さは、あの西日本一の高さを誇る「あべのハルカス」がすっぽり収まる319メートル。また、海面下に沈む船体の深さ(喫水)は16.5mで、5階建てのビルほどの深さが海面下に沈んでいます。この超大型船を安全かつスケジュール通りに入出港させるのが船舶代理店です。入港接岸作業は、潮止まり(*)時間に限られるなか、手配した4,000馬力のパワーを持つタグボートを同時に5隻使用し、センチメートル単位の正確さで接岸させます。(写真参照)

    陸側では、当社係船担当が数台の重機を使用して、太いロープ(ホーサー)を海面から岸壁へ引き上げ、正確な判断と息の合った連携で静かに岸壁に着岸させます。
    船は24時間365日休みなく動いているため、その動きや荷役スケジュールに合わせなくてはなりません。時に荒天やトラブルに見舞われながらも、日々、入出港管理に関わる申請手続きをフルサポートしています。

    (*)潮止まり:潮の干満で満潮時の潮位が頂点に達している時間帯のこと

  2. Case 2

    神戸港、東播磨港などの入出港船舶の手続きをサポート

    神戸港および東播磨港にある加古川製鉄所岸壁のほか、各々の公共岸壁、高砂港に出入港する外航船の代理店業務も受けています。多くは一般的な貨物船ですが、RORO船(写真参照)の代理店業務も行っています。RORO船は自動車や建設機械など主に自走できる貨物(車両)を積載するため荷役スピードが速く、刻々と進捗する荷役と連携しながら、船舶運航会社・タグボート・水先人とも密に連携し、遅滞なく出港手配を行っています。