物流のプロフェッショナルとして期待されるサービスを提供するため、当社は「運ぶ」ことに関する安全性、品質、環境、効率化について広く情報を収集し、技術的な視点から輸送品質の向上に取り組んでいます。
「物流を科学する」をキーワードに、これまで経験や勘に頼っていた物流の問題解決を、各種センサーや実験、解析などにより目標の定量化を図るため、2011年に技術室を設置しました。2016年には設備室を新設し、社内設備の更新や保全を一元管理することで物流基地をはじめとする保有設備の安定操業を実現しています。
現在、両部署が属する技術部では、物流における荷役作業の安全を図り、効率的で正確な扱いを機械化・省人化で対応できるよう、調査・研究を進めています。
物流DXを見据え、設備の自動化のあり方を調査するとともに、設備更新時期に合わせて可能なところから自動化転用できる設備導入を始めています。
取り組み
1
安全・品質確保に関する取り組み
取り組み
2
カーボンニュートラルに向けた取り組み
取り組み
3
新技術の導入
取り組み
4
物流DXに向けた取り組み
当社は、鋼材製品のほか鉄道車両や巨大な構造物など、大型貨物や重量物の運送に多くの実績があります。大型貨物を運送する場合、国や都道府県などの道路管理者から通行許可を得る必要があります。重量物の輸送では各車輪にかかる荷重を明示し許可を得ることで、道路や橋などへの影響を最小限に抑え、車両が安全に通行できるようになります。これらをサポートする計算ソフトを開発し、どのような条件で許可されるかを事前に確認・調整したうえで迅速な許可申請を行っています。
はしけ(艀)とは、自身では動力を持たず引き船により航行する船です。一度に大量の貨物を運送できるメリットがあります。
当社でははしけを使用して鋼材コイルを運送していますが、はしけの性質上揺れやすいため、時に積荷が転倒や滑落してしまうことが課題でした。これに対処するため、はしけの揺れを長期間測定し、コイルの物理的転倒や摩擦係数の実測による滑落の危険性を検証し、貨物の安全な運送を実現しています。
カーボンニュートラルに寄与するモーダルシフトにおいて、これまでのトレーラー輸送からコンテナ貨車輸送に転換する場合、輸送品質にどのような影響があるかを調査しました。振動の大きさを実測し比較した結果、貨車輸送での貨物損傷リスクが低いことが確認でき、モーダルシフトの実現に貢献しました。また、コンテナ内の結露状況も温度・湿度を実測し、発錆対策の検討も行い、安心して任せていただけるサービスの提案を支えています。
安全を最優先に、危険作業の削減を技術面からも取り組んでいます。輸送品質を確保したうえで、従来の作業の自動化など、技術部は専門部署ならではの目線から現場と共により良い姿を目指しています。
当社の物流基地で運用している天井クレーンは設置から50年以上経過しているものが多数あり、計画的に更新を実施しています。
クレーンの状態を定量的に評価し、更新判断基準に基づいて全体更新か部分更新かの判断を行っています。全体更新にあたっては、インバーター制御の採用で将来的な自動化を視野に入れて、効率的かつ安全な作業が可能になるようにしています。