ニュースリリース

2024年7月31日

【広報担当者レポート】水際作業の安全確保のための体験訓練

当社は、7月19日、加古川市防災センター内のレスキュー隊訓練プールにおいて、訓練を通して水際作業等での海中転落事故を発生させないことを学ぶ取組みとして「水際作業の安全確保のための体験訓練」(以下、訓練)を実施しました。訪船等の機会のある広報担当も参加しましたので、体当たり取材をレポートします。

 

当社各事業所には、岸壁での作業や船舶への訪問等、水際で作業を行う従業員が多くいます。訓練は、加古川市消防本部 東消防署 レスキュー隊(救助係 高度救助隊)の指導のもと、訓練未経験者の18名が参加しました。日常の作業時のままの作業服、安全靴(長靴・紐タイプ)、ヘルメットを着用し、フルハーネス型安全帯を装着して行われました。

 

訓練は、着衣入水を伴う体験のため毎年夏に実施され、これまでの14年間で、27回実施し、延べ486名が参加しました。

 

 

~広報担当者による体験レポート~

私は、年に数回はプールに行き、泳ぎますが、着衣水泳の経験はありません。最初の訓練は、ライフジャケットなしでヘルメット、作業服、安全靴(長靴)を着用した状態で水深1mのプールに入水し、背浮き、10メートルほど泳ぎました。安全靴に水がたまり、重さを感じるものの、問題なく泳げました。

 

次に、重さ約3㎏のフルハーネスを装着し、水深5mの深いプールに入水しました。ロープを掴んで入水し、手を放してその差を体感しました。1秒ほど手を離しただけで、ストンと頭頂まで水面下に沈み、もがくことすら出来ませんでした。プールサイドに自力で上がることもできず、約3㎏の重りが加わるだけで、こんなにも差があるものかと驚きました。

 

続いて、ハーネスはそのままに、ライフジャケットを着用して足から飛び込むと、あっという間に水面下に沈みました。ライフジャケットが膨らみ、再び水面から顔が出るまでわずか数秒ですが、心の中では「怖い!早く膨らんで!」という気持ちでいっぱいでした。

 

ライフジャケットが膨らみ浮いた状態で、笛を取り出して助けを求めます。ライフジャケット内側に入っている笛の位置が分からないため取り出しづらく、また大きく手を振ることで救助を求めるのですが苦労しました。安全靴も脱ぐのですが、脱げませんでした。ライフジャケットを着用していても、全身が重く、顔だけが水面から出ているような状態でした。息出来るように顔を上へ持ち上げるためには、ライフジャケットを緩みなく着用することが重要だと感じました。

 

最後に、ライフジャケット着用・フルハーネス装着の要救護者に浮環を投げて救助しました。浮環の紐が細くて引っ張りにくく、5mほど引き寄せただけで、手が真っ赤になりました。女性の私には、標準体型の男性を引き寄せるのに苦労し、波があれば助けられないのでは?と感じました。

 

訓練参加を通じて、ライフジャケットの効果を知り、正しく着用することがいかに大切かを体感しました。落水は命に関わること、海難事故を起こしてはならないため、水際作業前の準備の大切さを再認識しました。訓練者へのインタビューでは、全員が「訓練について職場の仲間から聞いて参加した。想像以上にフルハーネスの着用時は身動きがとれなかった。体験して良かった。」と答え、ライフジャケットの必要性は理解され、日々の作業での落水の危険性についても共有できていました。訓練で体験したことを各事業所に戻り、話すことで、職場の安全意識をもう一段高めることができると確信しました。

 

 

以上