2024年7月31日
当社は、2024年6月8日~15日において、RORO船「PIONEER A(パイオニア エース)」の年次検査を尾道造船株式会社尾道造船所(広島県尾道市)にて実施しました。 本船は、神戸製鋼 加古川製鉄所(加古川市)から神戸線条工場(神戸市)へ鉄鋼半製品(ビレット)を輸送する専用船として2018年7月に同航路に就航し、以降大きな事故なく今日まで運航しています。
本船は、(5年毎等の)法定検査を含め約1年ごとに定期的に検査を計画、実施しています。この時、必ず上架(ドライドック対応)し、船底の再塗装、計画的な各種設備等の整備・修理を実施し、安全・安定輸送の確保及び環境への対応の徹底を図っています。また、この間、各乗組員は担当する整備に立ち会うほか、運航中は当直の違いからなかなか実施できない乗組員の全員によるミーテイング・懇親会を行うなど、有意義な時間を作っています。
「PIONEER A」の年次検査に当たり、当社広報チームは、海運部、同船の船長・機関長、若手乗組員にインタビューを実施し、船舶設備の管理、乗組員の教育・技能継承、コミュニケーション等、安全・安定輸送の確保及び環境への対応を、確実に実施できている印象を受けました。
~環境~
船舶からの大気汚染防止としてSOx(硫黄酸化物)排出、NOx(窒素酸化物)排出対策や船内排出ごみの分別などの環境問題対応は既に実施済みであり、温暖化対策として以下のCO2削減に取り組んでいます。
・陸電BOX(加古川製鉄所係留時)による電源供給を行っています。
・ドックの度に、上架し、速力低下の原因となるフジツボ等を船底から除去・清掃し、再塗装を行い、燃料効率の低下を最小限にとどめています。
・明石海峡や大阪湾の大小さまざまな船舶が往来する海域の航行ではあるが航海速力の調整や、気象・海象を見ながらの操船により、燃料効率のよい運航に取り組んでいます。
~安全~
船舶の設備、整備はもちろんのこと、船長・機関長はじめ乗組員の意識は高く、以下の安全運航、災害防止に取り組んでいます。
・設備の点検・整備を計画的に実施し、不具合があれば、関係者間で都度情報共有の上適切な対応がとられています。
・甲板・機関部の違いは有りますが、保護具の着用徹底や、危険作業時の安全確認等、作業に対する安全対応が確実に実施されています。
・ベテラン乗組員から若手乗組員へ、技術的な指導だけでなく、目的を意識した報告をするよう指導し、自らの経験を話題に話し合うことなどにより、技術・技能の伝承を実施しています。
~働き方改革~
定年延長の実施、見直しが行われている福利厚生制度の充実や陸上からの各種支援により、これまで以上に働きやすい環境を作っているほか、シャワー室付個室を充実するなどによる女性乗組員の積極的採用を行っています。
最後になりましたが、現地取材に当たり、尾道造船様にもインタビューさせていただいたほか、取材にご配慮、ご協力をいただきありがとうございました。
以上