ニュースリリース

2015年12月18日【日本初】港湾荷役にスカイジャスター®を導入~吊荷の方向制御による荷役作業安全化の実現~

 当社は、日本で初めて港湾荷役用としてスカイジャスター®を導入し、使用を開始しました。
 神戸製鋼所加古川製鉄所にて受託している港湾荷役作業において、厚板鋼材製品(重い、長い、巾が広い)の荷役作業の安全性向上を目的に、スカイジャスター®を使用することで吊荷の方向制御を容易に行うことができ、荷役作業の中でも危険リスクの高い「吊荷を直接手で触る作業」、「吊具の下でチェーンを支える作業」を無くすことで、港湾荷役作業の安全性向上を実現しました。

 スカイジャスター®は株式会社大林組が東京スカイツリー®建設のために使用したことで知られる吊荷の方向を制御する装置です。港湾荷役では風やクレーン旋回時に発生する外力により、吊荷が回転する事象が散見されてきました。当社はスカイジャスター®の代表的な機能である①吊荷の姿勢維持、②能動的吊荷の回転、③回転の停止の3機能を港湾荷役の安全性向上に応用できないか着目し、導入を検討してきました。建築用スカイジャスター®を港湾荷役用として使用するにあたっては、当社、株式会社大林組の2社で24時間操業の港湾荷役に耐えうる構造、様々な船型に対応できる機構の設置等の改良を行い導入に至りました。

 改良事項は以下の通りです。
【改良事項① 吊具直結方式の採用、及び吊具交換・脱着の簡略化】
 スカイジャスター®と吊具は直結方式を採用し、スカイジャスター®の機能が最も発揮される機構としました。また、吊具交換時の作業負荷低減を目的とした置き台を開発し、交換・脱着を簡略化する方式を採用しました。
【改良事項② 異なる船艙形状に対応可能なスライド機構】
 荷役中では製品を限りなく船壁に近付ける必要がある場合があるため、バランサーを備えたスライド機構を開発し、種々の船艙形状への荷役を対応可能としました。
【改良事項③ 直接給電式採用による24時間操業の実現】
 従来のスカイジャスター®はバッテリーにて稼動しているため、作業終了後に充電をする必要がありました。24時間荷役作業を行う当社は、バッテリー充電する時間が取れないため、クレーンからの直接給電機能を採用しました。
 また、海岸付近で使用するため塩害対策用塗装を施しました。

【導入効果】
 荷役作業の中でリスクレベルが高い作業である「吊荷を直接手で触る作業」、「吊具の下でチェーンを支える作業」を無くすことに成功

 当社は、今後も「安全は絶対である」の考えのもと、作業者の安全確保に取り組んでまいります。


※スカイジャスター®は、株式会社大林組の登録商標です。
※東京スカイツリー®は、東武鉄道株式会社及び東武タワースカイツリー株式会社の登録商標です。

【写真:上】港湾荷役用に改良したスカイジャスター®
【写真:中】スカイジャスター®に直結された吊具とその下に吊られた厚板鋼材
【写真:下】改良事項②スライド機構

                                                 以 上