港湾運送事業の三本柱は、船積み、陸揚げ、はしけ運送です。当社では鉄鋼原料の荷揚げ、鉄鋼製品の船積みなどを神戸港・東播磨港にて行っています。荷揚げのすべてを司るフォアマン、製品倉庫から船積みまでの作業管理を行う出荷オペレーター、積載に直接かかわるクレーンオペレーターなどで、極めて専門性の高いスタッフを擁しています。

また、港湾運送に伴う船舶の協定書作成、調整業務などの代理店業務、また輸出鋼材などの通関業務なども行い、荷主様のサポートに努めています。

神鋼物流では、加古川製鉄所の港湾荷役作業に「スカイジャスター®」を導入しました。スカイジャスターとは、株式会社大林組が東京スカイツリー®建設にあたって開発した吊荷方向制御装置。ジャイロ効果により、吊荷の姿勢の維持、自在な方向転換、回転の停止を実現。港湾荷役用にさまざまな改善を重ねることにより、「吊荷に触れる」「吊具の下に入る」といった特有のハイリスク作業を軽減しています。主に厚板製品の荷役に効果を発揮しています。

神鋼物流のかつ大・重量物輸送におけるノウハウは、他社からも高く評価されています。こうした強みを活かした事例として、100トンを超える船舶用プロペラの荷役作業があります。これは、海運会社から依頼を受け、神戸製鋼グループ以外の企業が製造した、上海向けのプロペラ貨物を、海上クレーンで吊上げ、本船に積み込み、船倉に固縛するまでの一連の荷役を行うものでした。

神鋼物流では、物流品質向上のため、さまざまな工夫を重ねています。たとえば、熱間圧延された線材は、熱処理、酸洗、引抜きを経て、種々の形状に鍛造されます。この線材の表面に疵(きず)があると、そこが鍛造工程で割れの原因となるため、鍛造工程の高精度化により、表面品質への要求はますます厳しくなっています。こうした線材への疵低減活動の一環として、線材吊上げ時に生じる絞りを軽減する吊り具を新たに開発しました。